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安成助教が函館市国際水産・海洋総合研究センター屋上に寒冷地対応型ポータブルPM2.5測定装置を設置しました

今週の4月19日に北極域研究センター助教安成哲平氏が函館市水産・海洋総合研究センター(以降海洋センター)を訪問しました。訪問の目的は、海洋センター屋上に寒冷地対応型ポータブルPM2.5測定装置(以降PM2.5測定装置)を設置することでした。名古屋大学とパナソニックが共同開発したPM2.5センサー(Nakayama et al., 2018)を、安成助教のグループで開発した自動温度調節断熱ボックス(外気が零下でも、ボックス内部がプラスの温度を保つようにヒーターと温度コントローラーで自動調整される)に組み込みました。断熱ボックスは、札幌の(株)タナカに依頼・作製をしていただいています(http://kktanaka.co.jp/products)。設置した測定装置は昨日より順調に稼働して測定を開始しています。このPM2.5測定装置で、シベリアの森林火災などの越境大気汚染で飛来した大気中の大気汚染微粒子を観測し、その粒子の海洋への影響や、海洋からの粒子の影響なども研究していきます。北極域研究センターはこの海洋センターに衛星受信アンテナシステムを設置・運営しています。運営している衛星受信アンテナシステムはMetopおよびNOAA衛星データを受信するLバンドシステム、TerraおよびAqua衛星データを受信するXバンドシステムです。現在このXバンドシステムを活用して北海道大学・東北大学で開発、打ち上げに成功したRISESAT衛星データのダウンリンクを実施しています。PM2.5の測定やデータはリモートで管理をされます。

函館市水産・海洋総合研究センター
https://center.marine-hakodate.jp/

参考文献:
Tomoki Nakayama, Yutaka Matsumi, Keiko Kawahito & Yoshifumi Watabe (2018) Development and evaluation of a palm-sized optical PM2.5 sensor, Aerosol Science and Technology, 52:1, 2-12, doi:10.1080/02786826.2017.1375078.