センター概要
北極域研究センター(ARC-HU)とは
北極圏とその周辺域(北極域と呼びます)は、地球温暖化の影響をもっとも顕著に受ける地域の一つと言われています。事実、過去35年間で夏季の海氷面積が3分の2程度に減少する海氷後退が観察されています。こういった現象は、北極域の気候や生態系に影響を及ぼすだけではなく、水や大気の循環を通じて地球規模の変異を起こす可能性があります。一方で、資源開発の活発化や北極海の航路としての活用など、北極域の環境変動は、新たな利権を生み出す側面も持っています。したがって、北極域は、環境問題にとどまらず、政治や経済面での数多くの問題に直面している地域と言えます。
北極域研究センターでは、北海道大学の北極域研究に携わる研究者を、基礎自然科学から応用科学、人文社会科学まであらゆる分野から集約し、北極域の持続可能な活用と保全を目的として研究活動を行います。そのために、異分野連携による地球規模課題の解決に資する先端的・学際的研究を推進すると共に、萌芽的な基礎研究を実施します。国際的な異分野連携の円滑化を図るために、全学の北極域研究に関わる海外連携機関との交流を一元的に扱うと共に、リサーチ・アドミニストレーター(URA)による異分野連携を促進する機能を備えます。
また、国立極地研究所や海洋研究開発機構と協力して、実効性のある課題解決研究と人材育成を通して、「我が国の北極政策」(2015年10月16日発表)の実施にも貢献できる、日本における北極域研究のナショナルセンターとしての機能を有する組織を目指します。 センターのビジョンは、北極域の持続可能な開発・利用・保全の推進に寄与することで、次の3つのミッションを掲げています。 ①北大の特色を生かした北極域のフィールド研究の推進と国際ネットワークの拡大 ②異分野連携による超学際的北極域研究の創出 ③社会・産業構造変革を創造するための産学官プラットフォームの構築
センター長挨拶
北極域研究センター長
深町 康2015年4月に設立された本センターも5年目を向かえ、この度初代の齊藤センター長からセンター長を引き継ぎました。その間に、センター長1名で発足したセンターも専任教員10名、学内関係部局の兼務教員32名の体制となり、上記にあります異分野連携研究、産学官プラットフォーム構築などのセンターのミッションに取り組んでまいりました。代表的な例としては、2015年9月に開始された我が国の北極域研究のナショナルフラッグシッププロジェクトである北極域研究推進プロジェクトに副代表機関(代表機関は国立極地研究所、もう一つの副代表機関は海洋研究開発機構)として参画し、「北極生態系の生物多様性と環境変動の応答研究」、「北極の人間と社会:持続可能性の可能性」、「グリーンランドにおける氷床・氷河・海洋・環境変動」などのテーマの国際共同研究と若手研究者海外派遣事業を実施しております。また、地球の環境変動に関する研究の支援を行う国際的な科学組織であるベルモント・フォーラムの「持続可能性のための北極観測と研究」という共同研究活動では、本センターの教員がコンソーシアム代表となり、「気候変動下における北極海洋システムの回復力と適応力」と「東部ロシア北極域永久凍土上の生態系と都市と村落の炭素収支」という2つの課題を実施してまいりました。
2016年4月には、北極域における環境と人間の相互作用の解明に向けた異分野連携による課題解決に資する研究の進展を図るため、北極域研究共同推進拠点として文部科学省共同利用・共同研究拠点に認定されました。本拠点は本センターを中核施設、国立極地研究所・国際北極環境研究センターと海洋研究開発機構・北極環境変動総合研究センターを連携施設とした連携ネットワーク型の体制で、公募研究による研究者コミュニティの支援、セミナーの実施や公募研究による北極域産官学連携の推進、北極課題解決人材育成の推進を行っております。
今後も、北極域の持続可能な開発・利用・保全の推進に寄与するというビジョンに基づいて、本センターおよび共同利用・共同研究拠点の活動を通して、その役割を果たしていく所存です。皆様のより一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2019年4月 深町 康
センター情報
- センター名
- 北海道大学 北極域研究センター
- センター長
- 深町 康
- 住所
- 〒001-0021 札幌市北区北21条西11丁目
北キャンパス総合研究棟2号館(次世代物質生命科学研究棟)2階 - 電話
- 011-706-9074
- FAX
- 011-706-9623
- arc_inform(at)arc.hokudai.ac.jp ※(at)を@に変えて下さい
アクセスマップ
● 新千歳空港 → JR札幌駅
【JR(快速エアポート)】:40分
【高速バス】:70~80分
● JR札幌駅 → 北極研究センター
【タクシー】:約10分(※JR札幌駅北口より「北20条東門」経由)
【中央バス(西51)】:約16分乗車+徒歩5分(※「北21条西15丁目」下車)
【地下鉄】:約3分乗車 + 徒歩約20分(※南北線「北18条」駅下車)
【構内循環バス(無料)】:約10分乗車
(※JR札幌駅より北海道大学正門まで徒歩約10分。北海道大学正門(事務局前)より乗車 → 「創成科学研究棟前」下車。
※構内循環バスは8:30~18:30の間、15分間隔で運行しております。)