センター長挨拶
北極域研究センター長
深町 康2015年4月に設立された本センターも5年目を向かえ、この度初代の齊藤センター長からセンター長を引き継ぎました。その間に、センター長1名で発足したセンターも専任教員10名、学内関係部局の兼務教員32名の体制となり、上記にあります異分野連携研究、産学官プラットフォーム構築などのセンターのミッションに取り組んでまいりました。代表的な例としては、2015年9月に開始された我が国の北極域研究のナショナルフラッグシッププロジェクトである北極域研究推進プロジェクトに副代表機関(代表機関は国立極地研究所、もう一つの副代表機関は海洋研究開発機構)として参画し、「北極生態系の生物多様性と環境変動の応答研究」、「北極の人間と社会:持続可能性の可能性」、「グリーンランドにおける氷床・氷河・海洋・環境変動」などのテーマの国際共同研究と若手研究者海外派遣事業を実施しております。また、地球の環境変動に関する研究の支援を行う国際的な科学組織であるベルモント・フォーラムの「持続可能性のための北極観測と研究」という共同研究活動では、本センターの教員がコンソーシアム代表となり、「気候変動下における北極海洋システムの回復力と適応力」と「東部ロシア北極域永久凍土上の生態系と都市と村落の炭素収支」という2つの課題を実施してまいりました。
2016年4月には、北極域における環境と人間の相互作用の解明に向けた異分野連携による課題解決に資する研究の進展を図るため、北極域研究共同推進拠点として文部科学省共同利用・共同研究拠点に認定されました。本拠点は本センターを中核施設、国立極地研究所・国際北極環境研究センターと海洋研究開発機構・北極環境変動総合研究センターを連携施設とした連携ネットワーク型の体制で、公募研究による研究者コミュニティの支援、セミナーの実施や公募研究による北極域産官学連携の推進、北極課題解決人材育成の推進を行っております。
今後も、北極域の持続可能な開発・利用・保全の推進に寄与するというビジョンに基づいて、本センターおよび共同利用・共同研究拠点の活動を通して、その役割を果たしていく所存です。皆様のより一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2019年4月 深町 康