計画

平成30年度

29年度のステークホルダーミーティングでは、CO2収支の暫定値を示すと共に、年輪解析、生態系モデルの予想値をあわせて、自然生態系CO2収支の過去から将来に向けての年々変動と気候変動間の解析結果を紹介し、本地域の生態系の脆弱性を説明した。インディギルカ川流域のチョクルダ周辺では、2017年の春から夏にかけての大規模洪水を観測し、生態系や社会活動に大きな影響を与えている現状を把握した。将来増加することが予想されている異常気象への生態系応答を明らかにし、行政担当者、現地住民らにもその結果を随時示していく。人為起源CO2放出量については、今後、地域ごとの値の見積もりを公表する。また、コストなどに関する解析結果も合わせて示していく。
衛星データを利用した広域評価の検証用データとしての、植生図や土壌炭素分布図についても完成に近づきつつある。生態系モデルについても、改良を進め、現場の観測データとの比較を行い、新たな知見が得られつつある。
北東連邦大学で実施しているサステナビリティキャンパスプロジェクトは、第一段階のアンケート調査による現状評価試算が29年度に終了し、ヤクーツク市最大の組織である同大学では、大学運営、経済、社会、環境の4つの評価項目のうち、環境的側面など今後の報告性に関する情報不足が著しいことが明らかとなった。また、同大学の複数の組織と協働で、CO2排出削減に関する照明システムに着目した取り組みを実施し、大学内の照明を蛍光灯からLEDへ交換することで、60-70%の電力使用量、電気料、排出量の削減に成功した。学内プロジェクトとして展開しているこうした取り組みを、今後ヤクーツク市の他の施設でも実施し、市の環境や地域経済に貢献するシステムを提案する。

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