当センターの安成准教授を中心とした北海道大学及び名古屋大のメンバーによる研究チームは、小型のPM2.5センサーを搭載した寒冷地でも動作温度環境を自動で保つことが可能な自動温度制御断熱ボックス(PM2.5測定装置と呼ばれる)を開発しました。開発実験及び札幌冬季、アラスカ夏季の観測により、PM2.5測定装置が非常に寒冷な環境や、森林火災のような高濃度PM2.5環境下に置いても十分実用的であることを確認しました。
今後,冬季に寒冷になるアラスカやグリーンランドなどの北極圏及び南極など通年で寒冷な場所でも,安定にPM2.5の継続観測を行うことが可能となり,PM2.5測定が希薄な極寒の地域での観測展開が大いに期待されます。
詳細は、以下の本学と名古屋大学による共同プレスリリースを参照ください:
https://www.hokudai.ac.jp/news/2022/03/pm25pm25.html
(共同プレスリリースより、一部抜粋)
極寒の地域でも使用可能なPM2.5測定用の自動温度制御断熱ボックスを開発
~アラスカなどの北極圏から南極まで今後の測器展開と寒冷地PM2.5定常観測の発展に期待~
ポイント
・極寒の寒冷地でもPM2.5を連続測定可能な自動温度制御断熱ボックスを開発(−25℃で動作確認)。
・冬季札幌の大気環境で検証し,夏季アラスカ森林火災時にも高濃度PM2.5を観測することに成功。
・今後,極寒になる北極圏や南極など多様な寒冷環境におけるPM2.5観測のネットワーク展開に期待。
論文情報:
Yasunari, T. J., S. Wakabayashi, Y. Matsumi, and S. Matoba (2022), Developing an insulation box with automatic temperature control for PM2.5 measurements in cold regions, Journal of Environmental Management, 311, 114784. https://doi.org/10.1016/j.jenvman.2022.114784