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特別講演会「大雪山」開催報告

  • 2023.4.7

以下、当センター岩花海外研究員による開催報告です。


2023年3月4日(土)12:30-17:30、北海道大学 学術交流会館にて、大雪山国立公園高山帯の研究についての一般向け講演会(後援 北極域研究センター他)がZoomとのハイブリッドにて開催されました(対面参加者53名・オンライン64名)。

当センターの海外研究員であるアラスカ大学フェアバンクス校・岩花剛研究助教の司会進行で、北海学園大学・高橋伸幸教授から「大雪山高山帯の自然環境」について、Nature Photographer・渡辺康之氏から「大雪山の高山性昆虫の生態と地球温暖化の影響」について、北海学園大学・佐藤 謙名誉教授から「大雪山の高山植生」について、北海道大学低温科学研究所・曽根敏雄助教から 「大雪山の永久凍土の現状」について講演いただきました。
自然地理・昆虫・植生・永久凍土と多方面から40-50年間の大雪山系高山帯の変化がわかりやすく提示され、北極陸域、特にツンドラ地帯でみられる自然との類似性、その変化との関連性について報告されました。
続いて、岩花より大雪山の永久凍土観測から副次的に情報を得た「大雪山の夏山登山気象」についてのコメントのあと、これからの大雪山研究について総合議論を行いました。会場およびオンライン参加者からの質疑応答では若手研究者や大学院生からの発言をはじめ、活発な議論が行われました。大雪山研究における研究者同士のネットワークづくりの大切さも改めて確認することができ、今後も同様な講演会を開催することでその機会を提供していきたいと思います。