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当センターの安成助教らが北極域の森林火災と西欧熱波を同時誘発させうる気候パターンを初めて特定

当センターの安成助教ら、東大、三重大、韓国UNIST、米国NASAの国際研究共同チームは、北極域の森林火災と西欧熱波を同時誘発させうる近年特有の気候(大気循環)パターンを初めて特定しました(circum-Arctic wave, CAW, patternと命名)。また,近年夏季に見られる北極域の高濃度PM2.5多くがこのCAWパターンによって生じたと考えられるシベリア・亜寒帯北米(アラスカ,カナダ)の森林火災が原因であることを明らかにしました。

発見された近年のCAWパターン発生・発達メカニズムや温暖化との関係などが今後解明されれば、夏季の西欧熱波やシベリア・アラスカ・カナダの森林火災の同時発生を高精度に予測できる可能性が大いに期待されます。これは同時に,森林火災由来の大気汚染(PM2.5)予測にも直結し、北極及び周辺域の大気汚染対策への貢献も期待されます。

「北極域の森林火災と西欧熱波を同時誘発させうる気候パターンを初めて特定
~北極域とその周辺で起こる夏季森林火災と熱波同時発生予測手法の発展とその高精度化への期待~」

(ポイント)
・北極域で2003–2017年にPM2.5が高濃度となった20ヶ月中、13ヶ月が夏季で森林火災由来。
・夏季シベリア・亜寒帯北米の森林火災と西欧熱波を同時誘発させうる気候パターンを初めて特定。
・同様の気候パターンは2003年以降に発生しうることを発見。熱波・森林火災予測発展へ期待。

詳細は北海道大学・東京大学・三重大学による共同プレスリリースを参照:
https://www.hokudai.ac.jp/news/2021/05/post-843.html