「ArCS III若⼿⼈材海外派遣・受入プログラム」参加者、北見工業大学大学院工学研究科工学専攻、博士前期課程1 年の加藤隼天さんからメッセージが届きました。
加藤さんは、海洋観測プログラム「JOIS」の調査クルーズに参加し、カナダ沿岸警備隊の大型砕氷船「ルイ・S・サンローラン」で北極海を航行中です。気候変動研究の精度向上と氷海航行の安全確保に向け、レーザー光を用いて周囲の形状や距離を計測するLiDAR技術を搭載したドローンを活用し、海氷の状況を迅速かつ詳細に把握する観測技術の確立を目指しています。
加藤さんのコメント:
JOISクルーズにおける北極域での観測活動
今回、私は9月17日から10月22日にかけて実施されているJOISクルーズに参加し、北極海における海氷観測に取り組んでいます。
船上では、海氷の目視観測をはじめ、XCTDによる水温・塩の鉛直分布の測定、EM(電磁誘導式氷厚計)を用いた海氷の連続観測、船舶に固定したLiDARによる海氷形状の計測、マイクロ波放射計を用いた観測など、複数の観測手法を用いて海氷データの取得を行っています。
今回の航海において、特に重要な取り組みの一つが、ドローンを活用した氷上での海氷観測です。
具体的には、DJI製のドローンに他社製のLiDARを搭載し、DJI公式SDKをもとにした独自アプリケーションを用いることで、UAV-LiDARによる海氷観測を実施しました。
この取り組みは、将来的な「みらいⅡ」の海氷航行を見据え、ドローンとLiDARを活用して周辺の氷況をリアルタイムに把握する技術の確立を目指すものであり、その実現に向けた第一歩となる観測です。
3日間にわたる氷上観測は、厳しい環境の中での作業となりました。船と氷上をギャングウェイで何度も往復しながら、取得したデータの解析と観測アルゴリズムの改良を繰り返すなど、試行錯誤の連続でした。
現場ではさまざまな課題に直面しましたが、乗組員の皆様や多くの方々のご協力のおかげで、今後の研究につながる貴重な観測データを取得することができました。今回の氷上観測は、技術的な課題や改善点を実際の北極海の環境で確認できたという意味でも、大変有意義な機会となりました。
現在、船は最北地点を通過し、南下しながら引き続き船上観測を実施しています。また、船舶に固定したLiDARの改良も行いました。今後は、改良した観測システムを活用し、より高品質なデータの取得を目指して、残りの航海期間も精力的に観測を続けていきたいと考えています。
北海道大学では、ArCS III・北極域研究強化プロジェクトにおいて、若⼿⼈材による北極域に係る今後の研究、業務の発展、国際的な⼈的ネットワークの構築などに繋がることを目的として、「若⼿⼈材海外派遣・受入プログラム」を実施しています。
詳しくはこちら









