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北極域研究センター月例セミナー(12月)を開催しました

  • 2023.12.20

北極域研究センター月例セミナー(12月)を12月19日(火)に開催いたしました。

日時 2023年12月19日(火) 13:30-14:30
開催形式 オンライン
参加者 12名
講師:
アルチョム・ススロフ、博士課程院生(北海道大学大学院文学研究院)
講演タイトル:
北極船団を描いた海軍小説における北極と極洋のイメージ
講演要旨:
第二次世界大戦中の北極海輸送船団は、アメリカからソ連への貸し出し物資を運ぶ最も危険でありながら重要なルートのひとつであった。危険な極洋を航行するこれらの船は、流氷とドイツのUボートの脅威に直面した。トラウマ的な戦争体験の一部であったため、北極海輸送船団は1950年から1970年という、かなり早い期間にフィクションの中に登場するようになった。3人の海軍作家、N.モンサラット、イギリスのA.マクレーン、ソ連のV.ピクルは、危険な戦略的事業、緊張した船内の人間関係、非友好的な北の自然という複合的な経験を理解していた。このプレゼンテーションでは、北極輸送船団の歴史的な詳細を掘り下げる代わりに、北極圏そのものの描写に焦点を当てる。これらの物語における地理的境界線が、しばしば海氷の北の境界線、ノルウェー海におけるドイツ海軍のコントロールゾーンに限定され、東のムルマンスクで突然終了することを解析する。北極圏は敵よりも致命的な敵対勢力として描かれているにもかかわらず、これらの作家はまた、輸送船団の危険な旅を通してのみ知ることのできる、未知の地としても北極圏を描いている。