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帰山雅秀研究員が日本水産学会賞を受賞しました

  • 2019.4.9

 2019年3月28日に日本水産学会春季大会で帰山雅秀研究員(北大名誉教授)が平成30年度日本水産学会賞を受賞し、授賞式のあと記念講演をしました。受賞テーマは「サケ属魚類の持続可能な資源管理にむけた生態学的研究」です。

 受賞理由は以下の通りです。
帰山氏はサケ属魚類の生活史や個体群動態,種間相互作用など生態学的な研究を長年に渡って進め,国内外でこの分野をリードしてきた。特に,鱗による年齢査定と個体群動態の解析から,回帰する個体の小型化や高齢化が個体数増加に起因する密度効果に依ることを世界で初めて実証し,環境収容力の概念の有効性を示した。また長期的な気候変動がサケ属魚類の環境収容力と海洋生態系に及ぼす影響や,知床世界自然遺産地域においてサケ属魚類の産卵遡上が物質を海から森に運ぶ物質循環メカニズムを明らかにした。氏の研究成果は,いずれも国際的にも高く評価される独創的,先駆的なものであり,サケ属魚類の資源管理のみならず海洋生態系の保全に大きく貢献しており,日本水産学会賞を授与するに誠にふさわしい。