ニュース

6/27-28 北極圏ブロードバンドサミット開催報告

  • 2018.7.3

 北極経済評議会(Arctic Economic Council, AEC)は,北極における持続的かつ責任あるビジネス・経済活動の発展をはかることを目的として,北極圏国の経済・産業界により設立されたフォーラムです.これは,同じく北極圏国政府によるハイレベルフォーラムである北極評議会とも緊密な関係を有し,AEC議長は北極評議会の議長国から選出されます.AECでは2016年より,北極海を横断するデータケーブルの可能性・重要性を取り上げたトップ・オブ・ザ・ワールド北極圏ブロードバンドサミットを開催してきました.2017年にフィンランドで開催された第2回サミットを経て,太平洋側の上陸点として日本ならびに北海道のポテンシャルに関心が高まりました.この機会をとらえ,北海道大学北極域研究センター,北海道,北海道経済同友会が協働し,本サミットの札幌誘致をはかり,このたび開催に至りました.サミットでは2日間にわたり,『北極を通じた“接続性/コネクティビティ”』を主題に,北極海を横断して欧州とアジアを結ぶ海底ケーブルとデータセンター設置の可能性,および海運ならびに関連する通信・情報サービスについて,ビジネスセクターの視点からの情報提供と意見交換が行われました.その内容は,フィンランド交通・通信省および米国アラスカ州選出上院議員による基調講演,3つのパネルディスカッション;①海底データケーブル,②新たな可能性と機会,③北極海における海運および接続性/コネクティビティと,ハイライト講演(北極の可能性,北極の接続性発展タスクフォース(北極評議会),北極の海運ほか)となっています.北極域研究センターからは,大塚教授がハイライト講演にて登壇しました.  本会議を通じ,北極海海底データケーブルのアジア側上陸地点ならびにデータセンター立地点としての北海道のポテンシャルが確認されるとともに,日本側の事業パートナー参加への期待,公的セクターによる支援の重要性などが,会議中に実施された記者会見で強調されました.


写真-1:名和 北海道大学総長による開会挨拶


写真-2:石井 北洋銀行取締役会長による開会挨拶


写真-3:パネルディスカッション